無理ゲー社会 (小学館新書 た 26-2)
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はじめに 「苦しまずに自殺する権利」を求める若者たち
PART1 「自分らしく生きる」という呪い
知覧のスピリチュアル体験/世界を救うより「自分らしく」生きる/世界はますます「リベラル」になっている/「夢の洪水」に溺れかけている若者たち/わたしたちは「ばらばら」になっていく/アメリカ人の4人に1人は親友がいない/愛情空間・友情空間・貨幣空間/わたしたちは孤立しているのではなく、つながっている/性愛の肥大化と友だちの消滅/スクールカーストの世界/ヴァーチャルな評判でつながる世界/「リベラル化」がすべての問題を引き起こしている 2 「自分さがし」という新たな世界宗教
カウンターカルチャーへの賛歌/超エリートの秘密/「愛されることも、愛することもない」敗残者/バークレーで生まれ変わる/自分のセクシャリティと決着をつける/43歳の初体験/法学教授から「魔法使い」へ/「優越」と「劣等」の二重のアイデンティティ/そして新たな分断線が引かれた PART2 知能格差社会
メリットによって人民が支配される社会/階級社会から「知能による格差」へ/才能の貴族制度/5年ごとに知能テストを受ける/絶望死からAIまで/知能の高い女がポピュリズムを牽引する?/ポピュリストと偽善者/サンデルが告発するメリトクラシー社会/経済的報酬と道徳を切り離す/「運の平等主義」という遺伝決定論/哲学芸人のパフォーマンス メリトクラシーは人間の本能/日本人の3分の1は日本語が読めない/アメリカ人の半分は仕事に必要なスキルをもっていない/子育ての努力には意味がない/遺伝なのか、環境なのか/「頑張れない」を許さない残酷な社会/「進化論的リベラル」へ PART3 経済格差と性愛格差
5 絶望から陰謀が生まれるとき
「白人差別」のレイシズム/「下級国民の王」トランプ/「絶望死」というパンデミック/非大卒は大卒より2倍も死んでいる/経済格差は諸悪の根源ではない/「黒人化」するプアホワイト/日本の非大卒は「教育」に期待しなくなった/大卒エリートの所得も増えなくなった/脳は陰謀論で思考する/「公正」な世界を取り戻す闘い
6 「神」になった「非モテ」のテロリスト
2人の「テロリスト」/「不細工には生きる意味がない」/告白と失恋/「なりすまし」の投稿/「何か壊れました。私を殺したのはあなたです」/「不細工キャラ」から覗く傷口/女神化と一発逆転/男は競争し、女が選択する/「貧乏な男はモテない」現実/女が自立すると非モテが増える/非モテが「神」になるとき/「大きく黒い犬」と「人間廃棄物」/「無理ゲー」から解放されて
7 「資本主義」は夢を実現するシステム
一夜明けたら「サイテーの人間」/夢をかなえるタイムマシン/シリコンバレーの「夢ビジネス」/「富のベルカーブ」が崩れていく/後期近代というロングテールの完成/平等な世界をもたらす四騎士/億万長者がどこにでもいる世界/「脱物質化」という奇跡/夢をあきらめることはできない/「苦しまずに自殺する権利」を求める理由
8 「よりよい世界」をつくる方法
移民にもUBIを支給するのか/「日本人」はいくらでも増やせる/MMTへの3つの疑問/国家が「最後の雇い手」になる/「政府による雇用保障」プログラムとは?/資本主義より残酷なディストピア/功利主義的な富裕税/超富裕税が“左派ポピュリズム"の主流へ/結婚に失敗すると社会の最底辺に突き落とされる社会/「積極的雇用政策」は誰に有効なのか/男の失業者とシングルマザーの母集団はちがう/コロナでわかった「日本の敗戦」/デジタル通貨を使った「負の所得税」/合理的な選択に誘導する「ナッジ」/社会を合理的に設計する「メカニカル・デザイン」/市場原理から「共産主義」に至る道
エピローグ 「評判格差社会」という無理ゲー
原理的に解決不可能な問題/レイプができないようにデザインされた進化/「生まれてこなければよかった」という思想/世界は「ばらばら」になるように物理的に決定されている/エリート層と無用者階級/知能を強化するテクノロジー/機械生命体ボーグのようになっていく
あとがき 才能ある者にとってはユートピア、それ以外にとってはディストピア